『全国○ども電話相談室』 作・雀バル雀
(例のテーマ曲)
ちゃららん ちゃん ちゃん ちゃらららららららん♪
ダイヤル ダイヤル ダイヤル ダイヤル
回して
かかった かかった かかった かかった
リ〜ン
もーし もし どちゃどちゃ
もーし もし どちゃどちゃ
なんでも 訊いちゃお
「はいはい〜」
○ども電話相談室〜♪
「全国のよい子のみんな〜。こんにちはー!…今日からこの番組を担当することになった七瀬留美
おねえさんでーす。では今日の先生方を紹介します。…まず、『甘味評論家』の里村茜先生」
「あんぱんはつぶあんです…」
「次に『宗教のことならおまかせ』鹿沼葉子先生です」
「信心が足りません」
「そして『猫の疑問に答えます』長森瑞佳先生」
「こんにちは」
「では今日最初の質問でーす」
プルルルルルル…がちゃ!
「もしもしー?『全国○ども電話相談室』の留美おねえさんです☆お名前教えてくれるかなー?」
『うぃーす!折原浩平、2年…』
がちゃ!
「……で、では次の質問でーす」
プルルルルルル…がちゃ!
「もしもしー?『全国○ども電話相談室』の留美おねえさんです☆」
『こんにちはー』
「こんにちは。…お名前教えてくれるかなー?」
『おりはらこうへい、2年生で−す』
がちゃ!
「…………」
プルルルルルル…
プルルルルルル…
プルルルルルル…がちゃ!
「……もしもし」
『わたし折原みさお。2年生です!七瀬実は…じゃなくて、みさお、留美おねえちゃんに質問があるんだ』
「……質問は?」
「留美おねえちゃん、初めての時はホテル?それとも彼氏の…」
がちゃん!!
「…………」
プルルルルルル…
プルルルルルル…
「…………」
プルルルルルル…
プルルルルルル…
「…………」
プルルルルルル…
プルルルルルル…
プルルルルルル…がちゃ!
「あんたいい加減にしなさいよぉ!あたしが新米だからって甘くみてるんでしょうけどね、前の担当の
ような偽善者じゃないのよ!」
「…………」
「電話だからバレないと思ってるんでしょうけどね!あたしの昔のツテを使えばあんたのウチを突き
止めるくらい造作もないことなんだからねぇ!」
「…………」
「あたしがこの仕事につくまでどれほど苦労したと思ってんのよ!上司のセクハラにだって笑顔で
耐え続けて苦節4年!おねーさん舐めとったらいてまうぞこんガキきゃぁ!」
『……うっ…うう…』
「……え?」
『…うっ…うううう…ううううううううう』
「えっ?えっ?」
『うわあああああああああああん』
「あっ!あわわわわ」
『うわあああああああああああん』
「ご、ごめんんさい!良い子だから泣きやんで〜。ね?」
『うわああああああああああああああああああああああん!!』
・
・
「さあて、お名前を教えてくれるかな?」
『…椎名…繭…』
「繭ちゃんね?…繭ちゃんの質問はどんなことかな?」
『…………』
「…繭ちゃ〜ん?質問はなにかなー?」
『…………』
「繭ちゃーん?」
『…………』
「繭ちゃん?どうしたのかな?」
『…………』
「…………」
『…………』
「…(いいかげんに喋れよ!このガキ)」
『…“すーぱーひとし君”はあの後どうなるの?…」
「…はぁ?」
『…世界○しぎ発見…』
「…………」
『…ちゃらっちゃらっちゃ〜♪って吸い込まれて行くもぅん…』
「…あ、ああ!…あれね…じ、実はおねえさんも知りたかったんだ。じゃあ鹿沼先生?」
「…修行を積めばいずれ分かることです」
『…みゅ?…』
「か、鹿沼先生!そ、それじゃあ回答になってませんよ」
「…答える必要はありません」
「あるんです!ここにゲストとして呼ばれた以上は全国のよい子たちの疑問に答えなければいけないのよ!」
「…世俗のことに感心はありません」
「知らないんならそう言ってください!…里村先生、お願いします」
「…嫌です」
「『嫌です』ってあんた、それで済んだら電話相談要りませんよ。…じゃあ長森先生」
「はい。繭ちゃん」
『みゅー』
「ひとし君はねぇ…いなくなるんだよ」
『みゅ?』
「いなくなるんだよ」
「…嫌です」
「へ?」
「里村さん?」
「絶対に嫌です!…どうして私を一人ぼっちにするんですか!?」
「わっわっ!お、落ちついて里村先生!」
『みゅー』
「司ぁー!司ぁー!!」
「里村先生!今は本番中なんです!…ちょっと、スタッフー!…と、とにかくいったんCMです」
(CM明け)
「さ、先ほどは失礼しました。里村先生は持病の発作のために退席と相成りました。ご容赦下さい。
…ま、繭ちゃん。ほかに質問ないかな?」
『…○川専務はどこにいったの…?』
「…………」
『…最近TVにでないもぅん…』
「…鹿沼先生、お願いします」
「…繭さん」
『みゅー』
「…彼は処分されてしまったのですよ…ロスト体として」
『みゅ?』
「信仰が足らなかった故、精神の負荷に耐えられず自我のコントロールを…」
「嘘教えんなぁ!…あんた○川専務知らねぇだろうが!」
「失礼な…私は『●ガの○ボピッチャー』のCMの頃から…」
「長森先生、お願いします!」
「……無視しないでください」
「はい。繭ちゃん」
『みゅー』
「○川専務はねぇ…いなくなるんだよ」
『みゅー!』
「いなくなるんだよ。…でも、どうせまた新しいキャラで広告キャンペーン貼るつもりだろうし、そろそろ潮時だもん」
『みゅー…』
「だからもうそっとしておいてあげようね」
『うん』
「……だそうです。分かったかな?」
『…うん…』
「じゃあね。また電話してね〜」
『…うん…』
がちゃ
「ふー…では、次の質問でーす」
プルルルルルル…がちゃ
「もしもしー?『全国○ども電話相談室』の留美おねえさんです☆お名前教えてくれるかなー?」
『…椎名繭…』
「繭ちゃんね?繭ちゃんの質問はどんなこと……って、またあんたかい!」
『みゅ♪…“また電話してね”って言ったもぅん…』
「……(ちっ)ま、まあいいでしょう。今度はどんな質問なのかな?」
『…さんでーゆにふぉーむじゃないもん…』
「は?」
『…なごやドームでも普通のユニフォーム着てるもん…日曜日なのに…』
「あっ、中日のサンデーユニフォームね。…これはあたしも興味あるな。鹿沼先生」
「…ナゴヤドームってなんですか?東京ドームの間違いじゃあ…」
「…あんたに訊いたのが根本的な間違いだったわ。…長森先生」
「はい。繭ちゃん?」
『みゅー』
「…野球ファンにはね、みんな思い出したくない過去があるものなんだよ。あるいはあえて目を瞑ってることとか」
『みゅ?』
「例えばね、広島カープは昔『広島東洋カープス』だったとか近鉄は『近鉄パールズ』だったとか」
『ふいふい』
「ユニフォームだってダイエーの○ッセイ・ミヤケデザインの“ガッチャマン”とかトンボユニオンズの
”前背番号”とか…誰にだって触れられたくない過去あるんだよ」
『みゅー』
「ドラゴンズのユニフォームだって『LA○ジャースのパクリ』ってみんな思ってるけど口には出さないでしょ?」
『うん』
「世の中を渡って行くためにはね、自分の疑問をそのまま口にしてはいけないんだよ。分かったかな?」
『…吉川○なの、どうしてヘンな声なの?…も?』
「もちろんダメ」
『…田○俊彦…黒○薫はどこに…』
「これもダメ」
『…○田アキコは偉そうにしててどうして…』
「ダメ」
『…竹○健一の政治予測はどうしてあんなに…』
「ダメ」
『…多古○の“頭の体操”…なぜあんなに納得のいかない…』
「ダメ」
『…徳○…あそこまで司会が…』
「ダメ」
『…SA○IO…北朝○になにか恨み…』
「そのほうが売れるし」
『…どうしてお風呂で999…』
「○京新聞に訊いて」
『…ムックの頭のプロペラってなんの意味があるの?手だけ毛が生えてないし』
「週刊フ○テレビ批評に質問して」
『…「こおろ○さとみ」と「かな○みか」ってどうやって聞き分けるの…』
「赤ちゃん役が多いのが前者でHアニメの常連さんが後者」
「どんどん質問が趣旨からかけ離れてく気が…げっ?もうこんな時間!…き、今日の放送はここまで
です。繭ちゃん、今日はもうお終いね」
『うん!』
「そ、それではみなさんさようなら〜」
・
・
(翌日)
○ども電話相談室〜♪
「全国のよい子のみんな〜。こんにちはー!…今日からこの番組を急遽担当することになった
巳間晴香おねえさんです!みんな、よろしくね。…では今日最初の質問でーす」
プルルルルルル…がちゃ!
「もしもしー?『全国○ども電話相談室』の晴香おねえさんです☆お名前教えてくれるかなー?」
『…椎名繭…』
「繭ちゃんね?繭ちゃんの質問はなに?」
『…………』
「…繭ちゃ〜ん?質問はなにー?」
『…昨日のおねえちゃん…クビ?』
(おわり)
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(コメント)
みなさんこんにちは〜。雀バル雀です。
あいかわらずお馬鹿なSS書いてます。
今回もご多分に漏れず…(笑)
オチだけは気に入ってます。
笑ってくれたら嬉しいな。
今度こそ繭萌えなSSを書くぞ!